IT業界には色々な区分があります。
- 顧客のためにシステムを開発するIT会社
- NTTデータなどのシステムインテグレータのこと
- 自社でITシステムを作って、ITシステムで収益を上げる会社
- Google や Facebook、ZOZOなどウェブ系企業と言われる
ITを作って稼ぐか、ITを作ってあげて稼ぐかで二分されます。
IT企業の中でも、プログラマだけでなく、マネージャーや営業など、様々な職種があります。
この記事は広く、プログラマも含む「エンジニア(開発者)」の忙しさについて考察します。
私は大手SIerで8年働いた後、Web系企業に転職しました。
忙しさを比較すると、大手SIerの方が圧倒的に忙しい、といえます。
システム開発の見積もりは難しく、当たらないことが多いのですが、顧客のためにシステム開発するとなると、締切がずらせません。
100人の人間が12ヶ月働いた分の「工数」でシステムが完成すると見積もっていても、実際には100人の人間が15ヶ月働かないと完成しないということがザラにあります。
それでも締切はずらせないため、結局は「残業でカバー」することになります。
また、大手SIerの場合はミーティングが異常に多く、1日5時間以上を会議に費やします。
一日の労働時間は原則8時間(ただし守っている人はいない)ですが、そのうちの5時間を会議で使ってしまい、タスクの切り替えや細かな休憩などに1時間かかるとしたら、残りの作業時間は2時間です。
当たり前に時間が足りないので、残業でカバーすることになります。
残業を美徳とさえ考えているフシがあるので、むしろ残業しないで帰ることはできなくなっています。
一番辛く不毛なのは「障害対応」

大手SIerではプロパー社員が「障害対応」に当たります。
複数のシステムが連携しながら動く巨大システムでは、日常的に「障害」が発生します。
予定通りの時間に予定通りのプログラムが動かなかったり、異常終了したりするのです。
深夜3時に「障害コール」で叩き起こされ、5時まで障害対応を行って9時半に出社みたいなことが週に1、2回起こります。
そんな深夜での対応を「仕事なんだから当たり前」と考えている集団です。
もちろん裁量労働なので残業代はつきません。
離れたらわかりますが、異常です。
旅行中も会社のパソコンを持ち歩く
「障害対応を行う」ということは、四六時中システムの管理をしなければいけないということです。
システムの管理を行う専門の部署があるわけでもなく、若手担当者が自動的に割り当てられます。
夏休みや年末年始、ゴールデンウィークの連休中でもパソコンを肌見離さず持ち歩くのです。
コール(システムの不具合の電話のこと)がかかってきたらすぐに対応できるように、帰省先にパソコンを持ち帰ったりします。
実質的な労働時間よりも「拘束される時間」や「精神的に抑圧される時間」は長くなります。
365日、永遠に心が休まることなく、いつ電話がくるかわからない状態で過ごさなければならないのです。
年収1000万程度では割にあわないといえます。間違いなくおすすめできません。
「平均」で12時間労働。残業しないと絶対に出世できない
SIer時代はだいたい、9時に出社して21時まで働くのが一般的でした。
20時より早く帰ると「早帰り」といって、仕事のやる気がない人間のように思われる空気がありました。
辞めると決めてからは基本18時に帰るようにしていましたが、周囲の目は厳しいようにも感じました。無視してましたが。
「出世コース」なるものがあるかはわからないし、そんなものは90%は運次第ですが、SIerで「仕事を任される」ようになるには、何よりも「長時間労働」が大事です。
アウトプットよりも、技術力よりも、「長時間労働」で会社に貢献する強い意志を見せることで、仕事が回ってくるようになります。
SIerはマネジメントしかしないので、実力の差がつきにくい構造になっています。
長時間労働で誠意を見せたり、長時間労働の中で超絶分かりづらい業務のドメイン知識を蓄え、そこで貢献していくことで出世の道が開かれていくのです。
ウェブ系は会社によるが基本ホワイト

ベンチャー企業だったら長時間働くのが当たり前ですが、ウェブ系は基本的にホワイトな企業が多いです。
定時に帰るのが当たり前の文化があります。
理由は2つ。
1つめは、プライベートな時間がないと新しい技術の勉強をする時間が取れず、技術力を磨く余裕がなくなってしまうから。
2つめは、エンジニアは条件が悪いとさっさと転職してしまうから。
ウェブ系は労働力の流動性が非常に高いので、嫌な環境だとエンジニアはすぐに転職してしまいます。
そのため、SIerのような非人道的なやり方で残業を強制することはできず、決められた労働時間内で生産性を上げ、快適に働けるように環境を整えます。
大雑把にまとめると、労働者が強い立場にあって、さっさと転職できる状態であれば、会社はホワイトになっていくということです。
SIerは専門性が身につかず、他の会社で通用しない人材ばかりになるので、違法労働させられても人はいなくなりません。
鞭でひっぱたいても労働者が辞めないので、マネージャー層がつけあがっていき、どんどんブラック化していくのです。
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