SIerの仕事

クラウドネイティブ時代になってもSIerの「基盤チーム」が無くならないのはなぜか?

AWSの勉強をしていると、SIerにいる「基盤チーム」がやっていた作業のほとんどはAWS上の機能で全て済ませられてしまうことがわかります。

たとえば、AWS Databese Migration Service。

システムの基盤更改プロジェクトであれば、

「現行から新基盤へのデータベースの移行」

がものすごく大変です。

計画を立て、計画をレビューし、大量の手順書を書いて、何度もテストをして、リハーサルして、やっとの思いでデータを移行します。

AWS Database Migration Servicecを使えば、AWSコンソール上でそれらの移行作業が完結できてしまいます。

DMSに限らず、クラウド上の機能を使いこなせば、これまで基盤チームと呼ばれる人達が多大なる工数をかけて一生懸命やっていた作業の大半が不要になります。

こんなに簡単にインフラを作っていけるのに、基盤チームが存在する意味はあるの?

と疑問に思ってしまいますが、あるんです。

「クラウドで環境構築する基盤チーム」が生まれる

クラウドで基盤を作れるよ!となっても、SIerのアプリケーションエンジニアがAWSを触って作業することはありません。
SIerのアプリケーションエンジニアはエンジニアではなく、プロジェクトマネージャーだからです。

どんなにシンプルな作業でも自分ではやりません。
自分たちでやってしまえば、いちいち

「基盤チームに相談する」
「基盤チームに依頼する」
「基盤チームに状況を確認する」

みたいな面倒な調整がなくなるのに、自分たちでは絶対に作業しません。

なぜか?

1つ目は、「基盤の責任は基盤チームに持たせたいから」です。
減点方式で評価されるSIerでは、問題の責任を明確に分担し、自分たちの責任範囲外の問題には手を出さないようにします。

基盤構築までも自分たちでやってしまって、何か障害が発生して怒られるくらいなら、基盤チームに任せて進捗を報告してもらう方がいいのです。

2つ目は、「技術が怖くて自信がないから」です。
SIerのアプリケーションエンジニアは新しいことに挑戦しません。
失敗したら怒られるからです。

なので、「挑戦している風の無難な試み」が意味もなく積み重なり、何も生まれません。
クラウドで環境を構築して何か問題が発生したら、複数の人に詰められてしまいます。

「なぜ障害が発生したのか」
「原因を報告しろ」
「分析したのか」
「是正策は何か?」
「是正の計画は立てたのか」

システムに責任を持たず、何も問題を解決しないジジイが大量に現れて、ゴチャゴチャと言ってきます。
責任がないくせに口だけ出す、こいつらこそが、SIerの癌です。
全員クビにしたほうがSIerは良いものを作れるようになるでしょう。

そんな感じで、失敗が許されないSIerでは新しいことはやりません。
やらないからできるようにもなりません。
成長もしません。

だから、SIerの技術はいつまでも変わりません。

3つ目は、「時間がないから」です。
技術の習得だったり、試行錯誤には時間がかかります。
SIerの社員は技術の習得にかける時間はありません。

業務外で勉強すると言っても、普段は21時とか22時まで仕事をしているわけです。
しかも、日中は7時間くらい会議してます。

SIerの中にいるとわかりますが、一日中会議するとめちゃくちゃ疲れます。
特に自分がファシリテートする会議が3時間以上入ると、高校の部活が終わった後並みに疲れます。

疲れ切った頭で業務を終えると、勉強に集中するのは難しいのです。
頭悪い根性論を語る脳筋は

「業務時間外に努力しないやつは甘え。

睡眠時間を削って3時間睡眠で勉強すればいい」

とかほざきますが、人間の気力は有限です。
あと睡眠を削って何かをやっても身体が持ちません。
短期で終わる受験勉強と違って、社会人生活は持久戦なのです。

というわけで、短時間睡眠のカンフルを打つわけにもいかず、日中は会議でヘトヘトになり、業務後に気持ちの切り替えは難しく、勉強する時間がありません。

勉強もしないので、新しい技術が使えるようにもなりません。
業務中はもちろん、新しい技術なんて触れられません。

そうやってSIerの社員はどんどん時代から遅れていくのです。

まとめ

SIerの社員は必然的に時代から遅れていきます。
今は「ウェブから10〜15年遅れ」くらいでギリギリ保っている状態ですが、この遅れは開くばかりでしょう。

いずれ20年遅れ、30年遅れの技術しか取り扱わなくなります。
いつかユーザーも

「SIerが作ってるシステム、SaaSで使ったほうがよくね?」

と気付く日がきます。

「我々はボッタクられていたのだ」

と自覚する日がきます。

構造的におかしいからです。
ほんのちょっとの改修に3ヶ月もの期間がかかり、ユーザー体験は一向に良くならない。

とにかく何をするにもコストがかかり、コストがかかる構造を改善しようともしない。
中にいる社員は一日中会議ばっかりやって、資料を作って肝心のシステムはちっとも良くならない。

そんなのでいつまでも誤魔化し続けられるわけないでしょう。

というわけで、SIerに長くいるのは危険です。
さっさと転職しましょう。



お金持ちになりたいすべての人にとって、有用な情報が載っているブログを見つけたので紹介します。

エンジニア転職のリアル

私はこのブログを全部読んで、人生変わりました。
この記事を読んでくれた方にもぜひおすすめしたいです。