大手SIerの驚くべき生産性の低さを語ろう

私は大手SIerで10年間仕事してきました。
業務を通じて常に感じてきました。

「なんて生産性が低い職場なんだろう」

と。

世間がSlack中心でコミュニケーションを取ってる中、2019年頃までずっとメールベースで仕事をしていました。

進捗状況をExcelに打ち込み、なんと“手動”でガントチャートを引いていました。

具体的には、四角い図形をドラッグで動かしてガントチャートを引いていました。

Excelのセルの中に細かく文字を詰め込み、報告資料を作り込みます。

身内に向けて作る計画書(PowerPoint)は「誰かに誤解されないように」表現を練りに練って、何度も何度もレビューします。

たくさんの人の意見が反映された結果、素晴らしい「官僚じみた資料」が出来上がります。

誤解されないように言葉を詰め込んで、大量の補足が溢れた資料です。

ここで書いていたのは「業務の内容自体が何も生産しない」という意味での生産性の低さですが、業務で使うツール面でもSIerの生産性の低さは際立っていました。

具体的に見ていきましょう。

人に聞かないと開発環境を構築できない

SIerで異動になったとします。
一応、システムエンジニアです。

最初に戸惑うのは開発環境です。

  • サーバのIPアドレス
  • ユーザー名、パスワード
  • 開発に必要なツール郡

など、それぞれ全部、人に聞かないとわかりません。

まともな組織なら開発環境の構築方法はwikiなどにまとまっているはずですが、そんなものはありません。

docker pullすれば誰でも開発環境をすぐに作れる!みたいな話は当然ありません。

SIerの社員が50人いたとしたら、Dockerを知ってる人は5人。
使ったことがある人は1人くらいしかいません。

そもそもDockerで開発環境を即座に作れるようにする、という発想にならないのです。

SIerでの環境構築はものすごく難しいです。
なぜなら、全部人に聞かなければならないからです。

異動したばかりだと、「知ってる人」を探すのにも時間がかかります。

「教えてください」
「私はわかりません」
「教えてください」
「●●さんに聞いてください」

というのを延々と繰り返して、一つ一つ環境を整えていきます。
wikiにまとめとけや、と言いたくなりますが、そういう文化はありません。

人に聞かなければいけない割に、様々な「申請作業」「管理作業」を色んな人が分担していて、訳がわからなくなります。

人の時間を大切にしない

SIerは会議ばかりです。
平均して一日6時間は会議しています。

彼らは一日の業務時間を12時間とみなしているので、会議しまくっても気にしないのです。

そして会議が多いくせに、だいたい遅刻してきます。
なぜ兵器で会議に遅刻するかというと、「時間の大切さ」を全く意識しないからです。

「工数工数」とコストにはいちいちうるさいくせに、他人の時間を奪うことにあまりにも無頓着です。

「限られた時間で成果を出す」という意識が希薄だからです。
だからこそ、生産性は限りなく落ちていくし、何か問題が起こったらとにかく残業でなんとかしようとするのです。

こういう職場にいると、個人としては成長できません。
時間は有限なので、1時間あたりの経験値を上げていかないと何にもならないのです。

調整が多すぎる

SIerは何をするにもまず調整です。
自分たちで判断して、さっさと作業することはできません。

全てが縦割りで、同じシステムを色んな部署、色んなチームの人が分担して担当しているために、何かの作業のたびにいちいち許可を取る必要があるのです。

許可を取るために、チャットで聞くならまだマシで、色んなチームの人と「打ち合わせ」「認識合わせ」をしなければならないこともあります。

そうすると、「調整を担当して、スケジューリングする人」が必要になります。
つまらない仕事です。

何かやったらその作業を報告しなければいけません。
報告にも時間がかかります。

調整・報告・スケジューリング・会議・資料作り・資料読みでSIer社員の一日は終わります。

何かを生み出しているのは「資料作り」の時間だけで、この資料は身内しか読みません。

コミュニケーションコストが高い

技術を知らない人に技術的な内容を説明するのは大変です。
SIerの社員の99%は技術に全く興味がないので、中身の理解に時間がかかります。
高校生でもわかるように説明しなければならないため、とにかく時間がかかります。

SIerには利害関係者が多く、たくさんの「偉い人」がいます。
偉い人の仕事は「報告を聞き、レビューすること」です。
この偉人の仕事を無くしてはいけません。

高齢化が進むSIerでは「報告しなければならない偉い人」は増え続けるので、当然ながら「報告業務」も増えていきます。

手を動かさないジジイが増殖していることも、SIerの生産性を下げる一因です。

逆に手を動かして何かを生み出す若手は優秀な層からSIerを抜けていくので、

「生産する人が減って、報告を聞く人が増えている」

というのがSIerの状況です。

そんな背景もあって、中途採用や新卒採用を増やしているのです。
給料は良いので、人材は供給され続けるでしょう。

ただし、優秀な人ほどSIerに早く見切りをつける傾向があるのは間違いないので、生産性の高い人物は残りません。

「給料が高くて福利厚生がいいから」という理由でそこそこ優秀な人が残ることもありますが、そういう人には仕事が集中して、死ぬほど忙しくなります。

まとめ

SIerは生産性が低くなる圧力が常にかかり続けます。
また「何かあったら残業しなさい」「新しいことをやるならちゃんと説明しなさい」という文化が根強く残っているため、「今までの生産性の低いやり方」を改善する気風がありません。

SIerの意思決定は常にトップダウンで行われます。
上に立つ人間が生産性の意識が皆無なので、そもそも生産性を上げるインセンティブが生まれません。

これから10年先も、ずっとExcelで作業を報告し続けるのでしょう。

個人としての市場価値を高めたい人は、生産性の低い現場からは逃げるべきです。

経験を通じてしか市場価値は高まりません、
生産性の低い現場にいても、何もできるようになりません。

若手はさっさとSIerからは離れるべきです。

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