SIerの仕事

SIerを新卒で目指す学生に伝えたい、キャリアパスの選び方

SIerを目指す大学生に向けて、SIerの結論を言うと、「SIerではアプリケーションエンジニア」と呼ばれる職種に就くな、ということです。

私が入社した会社では入社時点で「アプリケーションエンジニア」と「基盤エンジニア」「テクニカルエンジニア」「研究職」などに職種が分かれていました。

アプリケーションエンジニアというのは、顧客の業務に寄り添い、顧客と密接にコミュニケーションを取りながら大規模なシステムを開発していきます。

テクニカルエンジニアは技術調査であったり、インフラ構築、テクニカルアドバイザー的な業務を行う仕事です。

99%地獄に落ちるのは「アプリケーションエンジニア」です。

仕事が退屈で、毎日が言い争いばかりで、顧客からは詰められ、上司からも詰められ、部下を詰め、夜中に電話がかかってきて、眠れず、ストレスフルな毎日が続き舞う。

「テクニカルエンジニア」や「技術基盤本部」みたいな「技術職」としての採用であれば、地獄に落ちる確率は50%くらいまで下がります。

また、転職市場でも評価されやすく、他社で転用できるスキルが身に付きやすいので、キャリアが安定します。

アプリケーションエンジニアはほぼ全員地獄です。

ストレスが溜まり、不満ばかりで、毎日が不幸で仕方がない状態になる、ということです。

「調整と会議ばかりで何のために働いているのかわからない。
仕事をしていると思ったら『設計書』という名の頭を使わない定型書類の執筆活動ばかり」

みたいな状態が一生続きます。死ぬまで退屈なのです。

もちろん、テクニカルエンジニアとして入社しても、そんな地獄に落ちる可能性はあります。金融系の基盤を担当するインフラチームに配属された場合は、高確率で鬱になるでしょう。

SIerのSEの仕事のリアル

アプリケーションエンジニアの仕事は

  • パートナー企業の工数管理
  • エクセル工数割当パズル
  • 計画書の執筆活動(社内資料作家)
  • 課題管理
  • スケジュール管理
  • 会議会議会議
  • パートナーの尻叩き
  • 調整

です。ザ・ダメな日系大企業の仕事という感じで、とにかく毎日が退屈です。退屈な割に暇というわけではなく、とにかくストレスが溜まります。

社員の80%が他人に攻撃的で、詰めることを仕事と勘違いしています。

SIerの社員の中には

  • 上流工程の仕事ができて楽しい
  • 仕事を回している感覚が嬉しい
  • 大規模なシステムを開発していて誇りを持てる

みたいなめでたい人がいます。ツイッターにいる アカウント名@SIer みたいに、SIer勤務であることをアピールしているような連中はそういうのが多いです。例外なく頭が悪いのが特徴です。

SIerの上流工程の仕事は普通の人間が楽しめるようにはできていません。

「上流工程にいる自分の立場が好き」

「大規模システムを開発しているという立場にいるのが好き」

というだけで、例外なく肩書や見た目で人間を判断するような傾向があります。

この人達は中身を見ないからです。

技術には関心も示さず、中身がなく、何を言うかよりも誰が言うかを大切にするのが「上流工程のやりがい」なんてものを強調する大手SIer社員に共通する特徴です。

SIerのプロジェクトマネージャーの仕事

私は嫌いでしたが、人に偉そうに指示する立場に立つのが好きな人は大手SIerに就職するべきです。

SIerの「プロジェクトマネージャー」というと、なんだかカッコいい仕事のように見えます。立派な仕事のように見えます。

ですが、やっている仕事は地味です。
まず業務時間のうち、7時間は会議をしています。

様々なプロジェクトの進捗定例に参加します。
進捗定例に参加し、自分自身も上長に何かを報告します。

方向資料を作り、会議で音読し、何か指摘する。その繰り返しです。何の学びも成長もありません。

同じ日々の繰り返しです。

レビューという名のアラ探し

SIer社員はアラ探しが大好きです。

大手SIer社員の重要な仕事はレビューです。
レビューにめっちゃ参加します。

レビューして、会議して、レビューして、会議して、19時から自分の資料を作り始めます。

レビューに参加したときは、何か指摘しないと自分の存在感がなくなると思っているので、何かにつけて無意味な指摘を入れます。

SIerの品質とは、レビューの回数なのです。

身内向けの資料を5回以上レビューすることもざらにあります。

チームリーダー、プロジェクトマネージャー、部長…と色んな人にPowerPointで作った資料を「レビュー」してもらうのです。

まともなIT企業であれば、「レビュー」というのは、ソースコードのレビューが主です。

顧客に価値を届ける部分にフォーカスして、将来に技術的負債を残さないようにレビューを重ねます。

SIerのレビューとは、守れもしない計画に対してあーだこーだと文句をつけて、上に上に報告を上げて承認をもらっていく不毛なリレー作業を指します。

残業ばかりで疲弊して一週間が終わる

レビューと会議ばかりの毎日を過ごして、いつの間にか一週間が終わっています。

毎日9時から22時まで働きます。毎日です。プライベートの時間はありません。

それだけ時間を費やして、何一つ成長しません。それがSIerのリアルです。

予算を管理して、工数を管理して、パートナー企業の何者かの報告を聞き、進捗に遅れが出たら「詰め」を入れます。

常に誰かを詰めて、誰かに詰められて、心が休まる瞬間がありません。

大きなプロジェクトを回します。

「大きな」というのは、動くお金であったり、関わる人の数だったりします。
ソフトウェア開発全般に言えるのは、関わる人数が多いからといって、素晴らしいものができるとは限らない、ということです。

何十億というお金をかけて、毎月何百人という人間を動かして、できたアプリケーションがクソ使いづらい、なんてことも多々あります。

使いづらくても関係ないのです。
プロジェクトマネージャーの仕事は、最初に決めた「要件」を満たすように、「スケジュール通りに」プロジェクトが終わるようにチームを引っ張っていくことだからです。

それがSIerのプロジェクトマネージャーの仕事です。
退屈ですね。

SIerで品質を高めるということ

SIerでは「品質」が重視されます。何かというと「品質を高める」「品質を担保する」「品質がなんとか」と話に出てきます。

ですが、10年働いても SIerの「品質」というのが最後までよくわかりませんでした。

彼らは「品質」という言葉を曖昧な定義のまま使っていて、時間をかければ「品質が高まる」ように勘違いしていて、その「品質」とは具体的に何かが誰にもわかっていなかったのです。

「バグが少ない」だとか、「ソフトウェアの挙動が仕様どおりである」だとか「ユーザー体験が良い」とかだとわかります。

もう忘れましたがIPAにも品質の指標みたいなものがあったかもしれません。ですが、SIerの業務で使われる「品質」というのは「努力」みたいなふわっとしたイメージで使われていて、具体的な内容は全くなかったのです。

スキルの高い人がコードレビューして、コードの品質を高めていく、というのはわかります。

SIerではコードレビューは行われません。

毎日「計画書」をレビューしています。

まるで書籍を執筆しているかのように、「計画書」をたくさんの人がレビューします。「品質」を高めるために。

計画に穴はないか?
考慮漏れはないか?
わかりづらい部分はないか?

など、穴が空くほどパワーポイントを眺めて何度も何度もレビューします。

レビュワーはそのプロジェクトに責任を負うことのない「有識者」です。
横から呼ばれて好き放題指摘します。
指摘されると直さなければなりません。

レビューの指摘を修正することで、「品質」が上がっていくからです。
なんか不思議な言葉ですよね、品質って。

ソフトウェアの品質はテストによって担保されるのかなって思ってたのですが、資料のレビューで担保されます。
めちゃくちゃレビューして、「品質の高い資料」を作ります。

私はこの「品質」という言葉が好きではありません。
「品質」を盾にして、なんだか意味のないことを延々とやっているように感じているからです。

レビューをしまくって、めちゃくちゃ品質が高まったウォーターフォールの計画書。
そこまでレビューしたならさぞ完璧な進捗が出るのかな、と思いきや、めちゃくちゃ遅れます。

全然計画通りにいきません。
というか、計画通りに進めるために、めちゃくちゃ残業します。
計画に沿って人が動くのではなく、計画を達成するために稼働を増やしまくるのです。

最初に書いたように、こんなの地獄そのものです。
これがアプリケーションエンジニアの仕事です。

実態をよく考えて、給料だけで会社を選ぶと、おそらく耐えられなくなります。
人は給料を食べていきていくわけではないからです。

夢や目標やスキルアップの実感がないと、長時間労働で潰れてしまいます。
世の中にはたくさんの仕事があります。

キラキラしたイメージや、ネームバリューで会社を選ばないことです。
年収1000万あったとしても、自分の時間がないと全然幸せではありません。マジです。

どんな仕事をしたいのかはよく考えて就職先を選びましょう。