SIerの仕事のスピードは、転職したことがなくても異常に遅いとわかる

SIerの仕事はものすごくゆっくりと進む。
中の人は誰もが忙しそうに、辛そうな顔をして、夜遅くまで残業をしているが、その時間に何を生み出しているかというと、正直よくわからない。

とにかく何をするにも「責任分担」と「調整」が大事で、そのため仕事が進まない。

たとえば、あるサーバで作業をしていて、必要なモジュールが足りなかったとする。
しかしインストールにはroot権限が必要だ。

そうなると、

「rootでインストールするものはアプリ担当者の仕事ではない。
アプリ担当者が勝手に作業をすると誰の管理物かがわからなくなる。
だから基盤チームの担当者に依頼を出さなければならない」

という話になる。

開発者が5分で済ませられる作業なのに、その前に別チームと調整し、お願いし、場合によっては打ち合わせを行ってまで了承を取らなければならない。

それも、本番サーバではなく、開発サーバで行っているのに、だ。

何をやるにも

  • 調整
  • 責任の明確化
  • 分担
  • 認識合わせ

が必要で、えらく時間を取られる。

正直、みんなが忙しそうにしているのは、何かを素早く生み出しているからではなく、会議や調整ばかりしているからなのではないかと思う。

プロジェクトを始めるまでに10ヶ月かかる

「プロジェクトを始める」と決めた後は、まずは計画書を作り込む。
その計画書の作成の前にフィージビリティ調査などを行うのだが、全ては計画書のためだ。

計画書には

  • プロジェクトの特徴・概要
  • 規模・工数
  • スケジュール
  • 体制
  • 運営方法
  • リスク
  • 課題

などを盛り込み、その分量は100ページを超える。

それぞれの項目には根拠となる数字が明確に記載されており、プロジェクトが始まる前に全て計画できているかのように大量のパワーポイントを作らなければならない。

そのパワーポイントの裏には、大量の調査用のExcelが転がっている。
社員の死体も転がっているかのように見える。

そして死力を尽くして作った資料を会社の偉い人にレビューしてもらい、承認会議を経て、やっとプロジェクトが始まる。

およそ10ヶ月にわたる資料作成の旅の終わりが「承認」で、プロジェクトの始まりでもある。

SIerの仕事はなぜゆっくりと進むのか

SIerの中の人が自分たちの仕事の進め方に全く疑問を持たず、会社で決められた慣例を遵守し続けていることに一因があるが、本質的な問題は

  • 関わる人数が多すぎる
  • 何もかにもが縦割りで、自由度が低い
  • 自分たちの責任範囲を明確にしすぎで、「全員でプロダクトに責任を持つ」という意識がない

アジャイル開発では「チームメンバー全員がプロダクトに責任を持つ」みたいなことがよく言われるが、SIerの業務は基本的に、このようなアジャイルの理念とは対極にある。

とにかく、自分たちの責任範囲を明確にして、余計な責任を負わされないことに全力を尽くしている。

そして、そんなことに全力を尽くしていることに、やっている本人たちは全く気付いていないのだ。

やっている人たちは、それがプロジェクトのためだと本気で思っているように見える。

  • プロジェクトに関わる人数が多すぎること
  • 手を動かせる人がいないため、調整や依頼が主業務になっていること
  • 調整・依頼が当たり前の文化で、強制力を持っていること

などが問題のように思うが、おそらく「SIerの仕事ゆっくり問題」は中にいる限り解決はできない。

年功序列のピラミッド組織で、仕事のやり方を変える意思決定ができる層が今のやり方に全く疑問を持っていないからだ。

今さら僕が語っても仕方ないことなのだが、

「SIerの仕事のやり方、なんかおかしくない?」

という疑問が晴れない方は、マジでさっさと転職活動を始めた方がいいと思う。

人生はいつでもやり直しできるけれど、やり直しは若ければ若いほどいい。
そして人生で一番若いのは「今」なのだ。

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