この記事ではSIerで転職活動を始めようと考えている人のために、必要な準備をまとめます。
SIerでは転職を前提にしている人が少ないからか、中にいても転職情報は集まりにくいです。
日々のプロジェクトが忙しいこともあって、カジュアルに転職の話はしていないように思います。
コロナになると雑談もなくなるので、より一層転職の話なんてしなくなるでしょう。
転職の情報は自分で集めなければいけません。
私自身、誰にも聞くことなく転職活動を始め、様々な壁にぶつかってきました。
この記事を読んだとしても、あなたはまた別の壁にぶつかることでしょう。
それでも、一度経験することで”予測可能な壁”はかなり増えてきます。
私の経験を踏まえ、「どんな準備をしておけば転職活動が楽になったか」を紹介します。
「なぜ今回の転職活動を始めるのか」を整理する
「転職活動の理由は?」
「今後のキャリアパスをどう描いているか?」
この質問は、どの企業の面接でも必ず聞かれます。
聞かれなかった企業はありません。
聞かない人はいても、面接官全員が聞かなかった企業はAWS以外ありません。
本音が
「今の仕事がつまらなすぎて嫌だから」
だとしても、何かしらの「前向きなロジック」を組み立てて相手を納得させる必要があります。
私たちが組み立てた「なぜ転職するのか」のロジックに納得するかは相手次第です。
同じことを言っても詰められることもあれば、感心されることもあります。
人の性格によるので、自分なりに筋を通しておけば、結果は気にしないほうがいいでしょう。
「なぜ今、転職活動を始めるのか」
「転職活動に何を求めているのか」
「転職して、5年後10年後にどうなっていたいのか」
というのは真剣に考えておく必要があります。
できればExcelなどに箇条書きでまとめておいて、面接前に読み返しましょう。
普段から
「5年後にどうなっていたいか」
「今の会社でそれは実現できるのか?」
「実現できないならそれはなぜか?」
「実現するためにはどうしたらいいか?」
を紙に書いて整理しておきましょう。
業務経歴を普段から書き出しておく
転職活動では選考を受ける企業に「業務経歴書」を提出します。
業務経歴書というのは、自分が今までどんな仕事をしてきたのかを書く資料です。
普通はWord4枚くらいでまとめます。
学歴、業務経歴、自己PR、取得資格などを書きます。
この業務経歴、転職活動を始めてから急に書き始めると、まず混乱します。
何を書いていいのかわからないのです。
「あれ?俺、何やってたんだっけ…?」
と迷ってしまいますが、面接の質問も業務経歴書を元に聞かれることが多いので、ここはちゃんと作り込まなければいけません。
普段から業務経歴を意識して仕事をしましょう。
今の仕事は業務経歴書にどう書くのか?
「自分に何ができるか?」
「転職先の企業で業務経験は再現できるか?」
が大事です。
「社内の大事な承認会議を突破しました!」なんて書いても、転職先の企業からすると
「ふーん、で、その経験、ウチで使えるの?」
と聞きたくなってしまいます。
普段から、業務を通じて「何ができるようになったのか」を意識しましょう。
そしてできれば、業務中に経験を積めるように能動的に動いていきましょう。
「会社で結果を出す前向きな姿勢」を持ちながら、したたかに業務経験を積んでいく姿勢が大切です。
毎日何も考えずに会議に出席して、会社のルール通りにチームリーダー経験などを積んでも、正直それは持ち運び可能なスキルにはなりにくいです。
そうすろと、結局面接で困ります。
相手も「こいつ、何ができるのかわからないから採用するのは不安だな」となりますし、こっちも「1やったことを10に誇張して話さないといけない」ので辛くなります。
普段から意識して経験を積みましょう。
興味がある会社の求人を眺め、条件から逆算して経歴を積む
求人を見ると
【必須経験】
【望ましい経験】
などが必ず書かれています。
行きたい会社の【必須経験】や【望ましい経験】を覚えておいて、そこから逆算して経験を積みましょう。
業務で自分で手を上げて、
【必須経験】
【望ましい経験】
を満たすような仕事を作るのが理想です、
ウェブ系に転職するならば、Rails、AWS、TypeScript、React、Vuejs、Swift、Kotlinあたりで経験を積んでおけば、何かしらのポジションで応募ができる可能性はあります。
AWSの場合は資格試験などでも知識がアピールできる可能性はあります。
2020〜2021年では最も勉強する価値のある資格でしょう。
ちなみに一昔前に流行ったデータサイエンス系は年収が高めではありますが、募集が少なく、かつ学ばなければならないことが多いため、コストパフォーマンスでは劣っています。
会社でAIとか機械学習とかディープラーニングだとかの研修があるかもしれませんが、よほどの覚悟が無い限りはわざわざ手を出す必要はないと思われます。
一方で、大学教養レベルの数学はなんだかんだ必要になるので、統計学くらいは勉強しておきましょう。
プライベートの経験は評価されない
プライベートでアプリを作ったり、勉強した経験はあまり評価されません。
業務経歴書に書いても聞かれません。
性格が悪い奴に当たると、馬鹿にしてくる奴もいます。
とにかく業務の経験で語るのが正解です。
プライベートで命かけてブログを作ったり、アプリを作ったりする人もいるかもしれません。
それらの経験は、よほど飛び抜けてなければ評価されません。
特にブログやアフィリエイトは見向きもされないので、のめり込むと市場価値が下がります。
SEOを頑張って研究しても駄目です。
プライベートで金を稼げるようになると、たまにサラリーマンを見下すようになる人がいます。
サラリーマンを
「自分でビジネスを作ることができない資本主義の脱落者」
のように論じる人もいます。
そう言いたくなる気持ちもわからないでもないですが、面接官からすると、本業で結果出してない人はプライベートでお金を稼いでいたとしても
「趣味がお金になったんですね」
くらいの反応にしかなりません。
とにかく本業で結果を出しましょう。転職で評価される実績を積むまでは、副業にのめり込まないようにしておくのが吉です。
ポートフォリオを作っておく
プライベートの経験は評価されない、とは書きましたが、1〜2年かけて、コツコツと品質の高いアウトプットを用意するのは大事だと思います。
転職先でRailsのスキルが求められるのであれば、Railsでサイトを作っておく。
フロントエンドも転職先で使えそうな言語で書きましょう。
作ったサイトのURLを業務経歴書の最後に「ポートフォリオ」として載せておきましょう。
面接官がサイトを見てくれて、「こいつ…技術力あるな」と思われたなら、業務で手を動かした経験が少なかったとしても安心してもらうことができます。
SIerからウェブに転職する場合、一番大変なのは、
「普段から手を動かしてないんだろ?
この人、全然コード書けないよね?」
という疑念を払拭することです。
そのためには自分でイケてるポートフォリオを作るしかありません。
1年かけてポートフォリオを完成させましょう。
コンピューターサイエンスと競技プログラミング
ウェブ系の転職活動だと、コーディング試験がけっこう課されます。
コードを書かされたり、Codilityのようなサイトで試験を受けたり、課題を提出したりと色々です。
普段からコードを書いていないと、試験を課されたときに迷います。
毎日必ず何かを作り続けるようにしましょう。
AtCoderやLeetCodeで毎日2問は問題を解くようにしましょう。
AtCoderのコンテストはできるだけ参加しましょう。
AWSの面接では技術テストのような1問1答が課されます。
コンピューターサイエンスの広い知識がなければ突破できません。
これも1〜2年かけて、名著と呼ばれる技術書は繰り返し読んでおきましょう。
コンピューターサイエンスの大学を卒業するレベルの知識は100%確実にあります!と自信を持っていえるように普段から準備をしなければいけません。
そう考えると、必然的に
「毎日9時から22時まで業務。仕事が終わったら寝るだけ」
みたいな生活をしていると、転職能力も落ちて人生詰む、という結論に至ると思います。
特にショボい業務経歴しか積めない部署・チームで連日激務で仕事をすると人生詰みます。
個人的な経験から話すと、どんなに体力に自信があっても、9時から22時まで仕事をすると、その後で十分な勉強をするのは無理です。リモートワークでも無理です。
一日の大半が意味不明な会議で浪費されていたり、何のスキルも身に付かない調整であったり、外注管理に費やされているのであれば、早急に異動願いを出し、異動が叶わないなら退職を検討してください。
長い目で見ると、無駄な時間を垂れ流す方が退職よりもリスクは大きいです。
お金持ちになりたいすべての人にとって、有用な情報が載っているブログを見つけたので紹介します。
エンジニア転職のリアル
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